ペットロスでうつ病になった話

zubora 健康

ペットを失って悲しんでいる方へ

とても大事で大切な
自分の家族が亡くなってしまうと
誰でも落ち込みますが
その結果、うつ病になった話です

それはある朝突然に

私が飼っていたのは
まだ若い猫でした。

避妊手術や予防注射もして
健康診断も全身していて
「この子は健康体です」と
お墨付きをもらっていました。

私は安心していました。
飼い猫では寿命が
10年を超えてきているので
健康なこの子はまだ死なないと、
死ぬことなんて先の話だと考えもせずに
安心していました。

でも、ある休みの日に
私がパソコンで作業をしている
すぐ後ろで
私の猫は鳴き声一つ上げずに
死んでしまいました。

私は獣医師です

現在は獣医の仕事をしていませんが
私は獣医師の資格を持っています。

当然、動物の病気や異変は
一般の方よりは知っています。

私はそこでも安心していました。
何か異変があれば
気が付くだろうと過信していました。

でも、
「遊んでいる気配がないな、寝ているのかな」と
何気なく後ろを振り向いたら
息も絶え絶えにぐったりしているのを
発見しました。

私は何をしたか

後ろを振り向いたときに
違和感を感じました。

いつもはピンク色の鼻が
灰色っぽく見えました。

心の中がザワザワしました。
寝ているのではないと
直感的に思いました。

息はその時まだあったと思います。
振り向いたその時は
まだ生きていたと思います。

ヤバいと思いました。
心拍がほとんど感じられませんでした。

人工呼吸をして
心臓マッサージをしました。
でも戻りませんでした。

このあたりの記憶が
あいまいなのですが
震えながら手を動かしていました。

道具も何もない
自宅でできる
応急処置は限られています。

病院に連れて行かなければと
思いました。
頭の片隅では間に合わないと
判断していました。
たぶん、この時この子は
もう死んでいました。

でも急いで最寄りの
動物病院に連れていきました。

自分で車を運転しながら
片手で猫の体を揺すったり
心臓が動かないかと
押したりしていました。

「おいていかないで」と
呼びかけました。

病院についてすぐに
先生に診てもらいましたが
すでに亡くなっていると
言われました。

最後まで面倒をみなくては

泣きながらペットの火葬場に電話をしました。

そのままでは体が腐ってしまうから
早くちゃんと焼いてあげなくてはと思いました。

その日は土曜日で
日曜日に予約をして火葬をしました。

骨になった子を連れて帰りました。

もう限界

家に着いた私はもうダメだと思いました。
死にたいと思いました。

メールで猫が死んだことを
知らせていた実家から
電話がきていたので
折り返し電話をして
自分の状況を話しました。

すぐに精神科に行くように言われました。
一時期、不眠で通っていた病院に電話をしたら
すぐに来るように言われました。

先生の診察を受けて
入院することになりました。

悲しみが癒えない

ずっと泣いていました。

起こった出来事が
信じられませんでした。

あの時まだ生きていたのだから
どうにかできたのではないかと
思いました。

何のための獣医師なんだとおもいました。
自分の飼い猫すら助けられないのに。

心の中はグチャグチャでした。

翌日には家族が病院に迎えに来て
退院をしました。

いつのまにか、うつ病に

しばらくは毎日泣いていました。
死にたいと思っていました。

仕事ができる状態ではないので
仕事をずっと休みました。

精神科に通って
薬を飲んでいましたが
一向に良くなりません。

ある日の診察時に
自分のカルテが見えました。
病名のところの「うつ状態」が二重線で消されて
「うつ病」と書いてありました。

私はうつ病になっていました。

完全に元には戻っていない

猫の動画や写真を見れるようになるのに
半年必要でした。

ふとした瞬間に
泣いてしまう状態が治るのに
1年ちょっとかかりました。

仕事に復帰するのに1年半経っていました。

今も通院しています。
でも、完全に元には戻っていません。

・頭の働きが鈍いままです
・気分が落ち込むと死にたくなります
・物事が楽しめなくなりました
・口数と交友関係が減りました

安定していると思ったら
不安定になったり、揺らいだ状態です。

なんでこの記事を書こうと思ったのか

一番ひどい時には
いつまでも悲しいこの状態が
ずっと続くのかと思って
絶望していました。

ネットでペットロスの記事を見て
「立ち直るのに〇か月かかる」等と書いてあって
そんな短期間で立ち直れないと
思いました。

きっと、人によって違うのだと思います。
少しはましな状態になるのに何年も必要だったり
何十年も必要な人だっていると私は思います。

「ペットが死んだくらいで仕事を休むなんて」
と思う人もいますが
私は仕事ができなくなり休職しました。

割と元気で何でも楽しめるタイプでした。
うつ病になるタイプではないと思っていましたが
うつ病になりました。

「ペットの死でうつ病になるなんて信じられない」と
面と向かって言われたこともありますが
人間との死別でなくたって、
うつ病になることを身をもって体験しました。

悲しいものは悲しいんです。
もう、どうにかできないんです。
仕方がないんです。

時間が経ったことで
泣かないで振り返れるようになりました。
またそのうち、猫と暮らせたらなと
思うようにもなりました。
これって、少しはましな状態に
なっているんだと思います。

今、絶望している人でも
時間が経てばもしかしたら
少しはましになるかもしれません。

周囲の反応や自分自身の状態に驚いて
「自分の悲しみは異常ではないか」と
思ってしまった人に読んでもらいたくて
記事を書きました。

補足:突然死は起こります

私の猫の話ですが
死因を調べるための解剖はしませんでした。

なので原因ははっきりとはわかりません。

私はずっと
「何か予兆があって気が付けたのではないか」
と自分を疑っていました。

でも、どんなに思い返してみても
その時までうちの猫は元気でした。

どんなに健康に気を配っていても
若い猫だろうと
死んでしまう時は死んでしまいます。

ネットで突然死やその予防法の記事を読んだりして
「自分が○○していれば」と考え始めると
どうしても自分を責めてしまうと思うので、
予防できない、防げない突然死はあるということを
忘れないでください。

こんな人もいるんだなと
何かの参考になればと思います。

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